すきコレ

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【作品・その2】ピエール=オーギュスト・ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」(1876) オルセー美術館(2017/11/7訪問、2020/4/10記述)

自称アート・リポーターこと、よろコンです。

 

  さて、今まで見てきた美術作品から、好きな作品をレポートしてコレクトするブログシリーズ。また、お付き合いただけますと幸いです。

 

  それでは、本日の作品はこちら。

 

ピエール=オーギュスト・ルノワール

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」(1876)

  

f:id:YoroCon:20200409013750j:plain(オルセー美術館にて2017年11月7日撮影)

 

パリ・オルセー美術館の5階。印象派の作品が集まるフロアの中でもひときわ華やいだ光が溢れます。縦131.5cm×横176.5cm。ルノワールの最高傑作とも言われます。

 

1876年、ルノワール35歳の時に描かれたこの作品。翌1877年の第3回印象派展に出品され、画家仲間で絵画収集家でもあるカイユボットが購入しています。カイユボットの死後はフランス政府に寄贈され、このオルセー美術館へとたどり着きます。

 

作品のタイトルである「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」はフランス・モンマルトルにあったダンスホールの名前。ムーラン=風車、ギャレット=小麦の焼き菓子。1889年には同じモンマルトルにロートレックで有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ(=赤い風車)」が開店しますが、この頃のモンマルトルには風車が多かったとか。

 

当時はナポレオン3世によるパリ改造計画の最中、貧しい労働者たちがパリ中心から追い出され、少し離れたところにあり地価も物価も安かったモンマルトルに流れます。同じように貧しい画家たちもモンマルトルに流れます。そして、舞踏会などが行われるダンスホールが作られていき、人々が集まってきます。

 

この作品を描いた頃のルノワールはモンマルトルでこのダンスホールの近くに住んでいて、ダンスホールを気に入り、通うようになります。後にはドガやゴッホも通うようになるようで、ゴッホの作品にもこのダンスホールは登場します。ルノワールはこの大きな作品を完成させるため、小さなキャンバスを持ち歩いて通い、スケッチを重ねたと言われます。

 

そして、この作品の中にはルノワールの友人たちが多く描かれています。

中央でこちらを向く黒い服の女性は女優のジャンヌ、

ジャンヌの前に座るストライプの服の女性はジャンヌの妹エステル、

エステルに話しかけるように後姿が描かれた男性は画家のフラン=ラミ、

フラン=ラミの右、テーブルをはさんでタバコを加える男性は画家のグヌート、

グヌートの右に座り、帽子を被ってジャンヌに目をやるのは批評家リヴィエール、

画面左側中段。姉妹の後ろでダンスをする二人。こちらを見ている黒い帽子の男性はキューバの画家カルデナル、一緒に踊っているピンクのドレスの女性は、当時ルノワールがお気に入りだったモデルのマルゴ。そのほか、背景で踊っている人々もルノワールの友人たちのようです。

 

私がこの絵を初めて見たのは1996年12月。初めての海外出張でパリを訪れ、3週間滞在したときのことでした。仕事とは言え、初めてのパリ。もう、週末にどこに行くかということしか考えていませんでした。そして、その時に絶対に見たいと思っていた作品の一つが、こちらです。

その後、時は流れて20年。2016年、国立新美術館で開催されたルノワール展にこの絵はやってきました。まさか日本でこの絵が見られるとは。もちろん見に行きました。そして、再び、オルセーへ・・・

 

キラキラとした光溢れるダンスホールに人が集まり、踊り、楽しんでいる。なんだか、流れる音楽、人々の笑い声も聞こえてきそうな感じがします。

「絵とは楽しく、きれいなものでなくてはいけない」

絵を見る人のすべてが幸せになってほしいと考えていたルノワールらしい、美しく、楽しく、そして幸せになれる一枚です。

 

 

  以下、関連リンクです。

  2016年に開催された国立新美術館の展覧会はこちら。

オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展|企画展|展覧会|国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO

(画像はありませんが、当時の構成などがわかります)

 

  GoogleのArts & Culture というサイトから

artsandculture.google.com

こちらのサイト。いろいろな美術館の作品を確認できます。

オルセー美術館の作品はこちらからも

Musée d’Orsay, Paris, Paris, France — Google Arts & Culture

(ポンポンのシロクマもあります。ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会は何故かリンクの写真が小さめで探しにくい。見つけてみてください)

 

あと、この作品もこの番組で紹介されています。

KIRIN~美の巨人たち~

 

  ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」。いつかまた見に行きたいなぁ・・・

 

ということで、ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。

いかがでしたか?また、次の作品もお付き合いください。

 

  以上です。ではでは。

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(オルセーの時計の裏から。遠くに見えるはモンマルトル、サクレ・クール寺院)