すきコレ

好きなものをコレクションする。そんなコンセプトのブログです。旅にアートに、それからそれから...

【作品・その6】長谷川潾ニ郎「猫」(1966) 宮城・宮城県美術館(2022/2/22記述)

ネコも絵も好き、よろコンです。

 

  さて、今まで見てきた美術作品の中から、好きな作品をレポートしてcollectするブログシリーズ。また、お付き合いただけますと幸いです。

 

「その5」から、とっても時間が経ってしまいましたが、今日は2022年2月22日

2が6つならぶスーパー猫の日。そんな日には、この作品を

 

長谷川潾二郎

「猫」(1966)

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この穏やかな眠り顔

この絵を見て幸せにならない人、いないんじゃないでしょうか。

 

この作品を描いたのは長谷川 潾二郎(はせがわ りんじろう)

北海道出身。明治37年から昭和63年の生涯をおくった画家です。

 

そして、モデルは「タロー」

 

普段、入ってこないようにしていた画家のアトリエに入りこみ、いつしか臙脂(エンジ)色の敷物の上で眠り込んでしまったタロー。そんなタローを慈しみながら描いた画家。
何日も同じポーズをとる"優れた"モデルであったタローでしたが、急に同じポーズを取らなくなります。なぜ?
そう、このポーズは、それを描いていた季節(9月頃とか)特有のポーズ。寒くなれば体を丸めてしまうということに気付いた画家は、またタローが同じポーズをとる季節が来るのを待ちます。そして翌年、同じポーズをとるタローを描き続けた画家。作品も完成まであと一歩。あとは髭を残すのみ。

ところが、タローは病気にかかり、同じポーズを取らなくなってしまいます。

それでも、かつてのように同じポーズで寝る元気なタローを待ち続ける画家。あと残されたのは髭のみ

 

やがてタローは歳をとり、同じポーズをとることがないまま、旅立ってしまいます。
さいごまで画家がタローの髭を描くことは叶いませんでした。

 

そしてタロー亡き後、潾二郎は仕方なく想像で髭を描きます。
それも何故だか片方だけ

 

・・・

宮城県美術館にあるこの絵をいつか見に行こうと思っていたのですが、昨年、東京で見ることができました。

それは府中市美術館20周年記念の「動物の絵」展でした。

府中市美術館 開館20周年記念 動物の絵 日本とヨーロッパ ふしぎ・かわいい・へそまがり

潾二郎の作品も載っています。

 

数多く描かれてきた猫の絵の中でもひときわ「あたたかい」ものを感じられる作品だと思います。タローの顔、なんだか人の笑顔のようにも見えてきませんか?

タローと潾二郎、かけがえのない時間・・・

 

ということで、ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。

いかがでしたか?

いつになるかはわかりませんが、また次の作品もお付き合いください。

 

  以上です。ではでは。