すきコレ

好きなものをコレクションする。そんなコンセプトのブログです。旅にアートに、それからそれから...

【展覧会Log】5/10、11に行った展覧会(2025/5/12-13記述)

よろコンです。

 

今回は5/10(土)、11(日)に行ってきた展覧会です。

今回も、あとから「あの時、こんな展覧会に行っていたんだなぁ」と自分が思い出すためのメモということで、よろしくお願いします。(写真はすべて撮影可能な作品でした)

この時期は行きたい展覧会が多いので、行先に迷います。その迷った結果です。

 

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(展覧会に行く前。ヤエチカの北海道アンテナショップ。メロンかミルクか迷ってメロン^^;)

 

(1) ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ@アーティゾン美術館(5F)(6/1(日)まで)

フィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ|アーティゾン美術館

・5/10(土) 16:00頃鑑賞
・スイス出身のゾフィー・トイバー=アルプはテキスタイル・デザイナーとしてキャリアを開始した女性抽象芸術家の先駆け的存在。その夫ジャン・アルプは当時はドイツ領、後にフランス領となったストラスブール出身の彫刻やコラージュ等を制作する抽象芸術家。妻は幾何学的形態を追求し、夫は曲線の自由な形態の彫刻を制作。対等な立場でお互いが刺激し合い作品を生み出した時代の先駆けである二人の展覧会です。

 

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ゾフィー・トイバー=アルプ「抽象的なモティーフによる構成(手帳カバー)」1917-18年頃

幾何学な造形が織りなす初期の作品

 

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ジャン・アルプ「トルソ=へそ」1915年

胎児の頃、母親とつながっていた痕跡である「へそ」はアルプ作品では人間と自然との根本的なつながり示す重要なモチーフ

 

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ゾフィー・トイバー=アルプ「レリーフ・セル(長方形、幾何学的要素) 1936年

 

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ジャン・アルプの彫刻

この後、順風満帆のな二人を待ち受ける思いもよらぬ運命とは・・・

 

 

(2) 硲伊之助展@アーティゾン美術館(4F)(6/1(日)まで)

硲伊之助展|アーティゾン美術館 

 

・5/10(土) 17:00過ぎから鑑賞
・(1)の展覧会に続けて鑑賞。硲 伊之助(はざま いのすけ)は1895年東京生まれの画家。若かりし頃よりフュウザン会や二科会で注目され、マティスとも交流を持ち、晩年は九谷焼に傾倒した画家、陶芸家。国内初のマティス展、ピカソ展、ブラック展を実現させた硲の作品と関連のある画家の作品による展覧会です。

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こちらは硲伊之助の「燈下」(1941年)です。このような人物画や花等の静物画も数多く展示されています。

 

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硲伊之助「ニース海岸通」1935年

マティスと会っていた頃の風景でしょうか。


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アンリ・マティス「青い胴着の女」(1935年)

 

続けてコレクション展(3F)も鑑賞しました。その中からの1枚

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ヴァリシー・カンディンスキー「自らが輝く」1924年

抽象画の先駆者でジャン・アルプとも関係のあったカンディンスキーの作品

 

 

(3) ヒルマ・アフ・クリント展@東京国立近代美術館(6/15(日)まで)

【公式サイト】ヒルマ・アフ・クリント展|東京国立近代美術館

・5/10(土) 18:15頃から鑑賞
・土曜日のMOMATはナイト・ミュージアムで20:00まで開館しているのでアーティゾンに続けて行ってきました。
・ヒルマ・アフ・クリントは1862年スウェーデン生まれの女性画家。2018年のニューヨークのグッゲンハイム美術館で開催された回顧展は当時の同館史上最多60万人以上を動員。今回はアジア初の大回顧展。若くしてスピリチュアルなものに目覚め描かれた「神殿のための絵画」シリーズは同時代の画家である先ほどのカンディンスキーやモンドリアンに先駆けた抽象絵画の創案者として再評価が高まっています。10点組の巨大絵画「10の最大物」は正に生で見るべき展示。ぜひ、その作品を"体験"してください。

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王立芸術アカデミーの頃のデッサンで見せるのは確かな技術

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「10の最大物」の展示から

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テンペラで描かれているのもすごい。

 

こちらも、続けてコレクション展を見て来ました。

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川端龍子「新樹の曲」1932年

造園家として独り立ちする息子へのプレゼント。幾何学的な庭が斬新

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ジャン・アルプの作品群の展示も

 

 

(4) ナカムラ ケンイチのシン人物画鑑賞@はけの森美術館(5/18(日)まで)

展覧会 シン人物画 | はけの森美術館

・5/11(日) 14:30頃鑑賞
・武蔵小金井駅から、そこそこに歩く小金井市のはけの森美術館。ここは洋画家・中村研一のアトリエ兼住居。この日は中村研一の誕生日(1895/5/14)にちなんだ無料入館日。我が家から散歩がてら鑑賞に来ました。この展覧会では中村研一の肖像画、婦人画、裸婦画で構成されています。肖像画にはドラマ「坂の上の雲」で的場浩司さんが演じ白い「プロペラ髭」が圧倒的な長岡外史の肖像画も。作品とあわせて岩波新書「絵画の見かた-画家と美学者との対話」(矢崎美盛との共著、1953年)から中村研一の言葉が紹介され、併せて関連性の深い西洋絵画作品や富子夫人の言葉の紹介などもあり、とても情報量の多い展覧会でした。「読む」展覧会としても楽しめます。

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ポスターに注目!「長岡外史」氏は本当にこういう髭をしています。

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美術館裏の旧中村研一邸は国登録有形文化財。喫茶店ですが、満員で入れませんでした。また、次の機会に。駅から少し離れますが緑に囲まれた良いところです。

 

 

(5) イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展@八王子夢市美術館(6/1(日)まで)

エロール・ル・カイン展 | 展覧会 | 八王子市夢美術館

・5/11(日) 17:00頃鑑賞
・武蔵小金井から八王子に行って鑑賞しました。こちらの美術館は19:00まで開館なので、比較的遅めに行っても間に合います。
・エロール・ル・カインは1941年シンガポール生まれ。幼少期をインドなどのアジアで過ごしたのち、その才能を買われイギリスへ。アニメーションを学んだ後、映画用に描いたラフスケッチを基にした絵本「アーサー王の剣」を出版して絵本作家に。細密な描写、アジアを思わせる描写、優しいタッチの描写、多種多様な世界がとても楽しい展覧会でした。展覧会図録はすでに売れ切れ。「再販予定なし」らしく、そこはちょっと残念。(絵はがきなどのグッズはあります)

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左の彫刻は長崎平和記念像制作の北村西望「夢」。直接展覧会とは関係ありません。

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ということで先週末の展覧会Logは以上です。ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。これからも展覧会を見に行ったら、書きたいと思います。また次回もよろしくお願いします。

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(MOMATコレクションの熊谷守一「鬼百合に揚羽蝶」1959年
いつもながらに素晴らしい)