すきコレ

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【展覧会】キース・へリング展 -アートをストリートへ-@六本木・森アーツ・ギャラリー(2024/1/14 鑑賞)

よろコンです。

 

本ブログでは見て来た展覧会の個人的な感想を書いています。

 

今回は、2024年1月14日(日)に見て来た展覧会

キース・へリング展 -アートをストリートへ-

@六本木・森アーツ・ギャラリー
です。

 

地下鉄の広告板からアートを発信

私には、この頃のニューヨークはとってもカッコよく写っていました。ニューヨークをカッコいい街にしていた一人、キース・へリング。その作品は明るくて、ポップで、パワーがあります。そんなキース・へリングがアートを通じて発信し続けたものとは?

今回も最後までお読みいただけますと幸いです。

 

【目次】

 

※ 以下の記述は展覧会の解説、パンフ、その他WEB上の資料等を参照の上、記述しております。また、撮影可能な作品について展覧会で撮影した写真を掲載しています。

 

1. 展覧会情報

(1) 開催概要

・会場:森アート・ギャラリー@六本木ヒルズ

・期間:開催中(2023/12/9(土)) - 2024/2/25(日)

・時間:10:00~19:00(入館は閉館30分前まで。事前予約制)
   ※ ナイトュージアム:金曜・土曜日は20:00まで。

・休館日:会期中無休

・チケット:一般 、大学生、専門学校生2,200円、中高生1,700円、小学生700円

・作品数:約150点

・写真撮影:基本的にOK(最後の「キース・へリングと日本」の展示箇所のみNG)

・関連リンク:

   1) 展覧会

kh2023-25.exhibit.jp

   2) 美術館

 macg.roppongihills.com

 

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(キースと言えば、この赤ちゃん)

 

(2) 訪問日・混雑状況

訪問日:2024/1/14(日) 17:20頃訪問

鑑賞時間:約60分

混雑状況:お客さんは多かったですが、ゆっくり見られました。

 

(3) どんな展覧会?(個人的に)

キース・へリング(1958年-1990年)。アメリカ・ペンシルバニア州出身

1980年代、地下鉄の広告版にチョークでドローイング。人種・宗教・性別・職業・・・様々な人々が集まるニューヨークで様々な人々が交差する地下鉄。ここからアートを発信し始めたキース・へリングはあらゆる人に作品を見てもらえるように、アートの力は人の心を動かし世界を平和にできると信じて活動を続けてきました。

一方、彼の言葉からは死と隣り合わせに生きてきたことがうかえます。当時、蔓延し始めていたエイズに感染したへリングは1990年、エイズによる合併症により31歳という若さでこの世を去ります。

実質の活動期間10年。この短い間に発信し続け、今なお輝き続けるへリングの作品の魅力にせまる展覧会です。

 

なお、展覧会ではキース・へリングの言葉が紹介されていました。当ブログでもご紹介します。

 

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(入口)

 

2. 会場へ

(1) 構成

第1章:Art in Transit  公共のアート

第2章:Life and Labyrinth  生と迷路

第3章:Pop Art and Culture  ポップアートとカルチャー

第4章:Art Activism  アート・アクティビズム

第5章:Art is for Everybody  アートはみんなのために」

第6章:Present to Future  現在から未来へ

SPECIAL TOPIC:Keith Haring and Japan  キース・へリングと日本 ※ このエリアのみ撮影NG

(2) 気になる作品

ここでは会場で撮影OKだった作品から紹介します。

 

「第1章:Art in Transit  公共のアート」から

 

キース・へリングの写真
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1980年開始の貴重なサブウェイ・ドローイング(5点出品)から

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1981-83年「無題」

 

有名になると剥がされて売買されるようになり、1985年にこの活動は終了しました。

 

 

「第2章:Life and Labyrinth  生と迷路」から

 

1986年7月7日のキースの言葉

「人生は儚い  それは生と死の間の細い線

ぼくはその細い線の上を歩いている

ニューヨークに住んで  飛行機で飛び回っているけれど

毎日死と向き合っている」

 

キースは1988年エイズ感染と診断されました。

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「ピラミッド」1989年


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「フラワーズII」1990年

 

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「スリー・リトグラフス」1985年

 


「第3章:Pop Art and Culture  ポップアートとカルチャー」から

 

アメリカのスター、ミッキーマウスとアンディ・ウォーホールの融合

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「アンディ・マウス」1986年

 

 

「第4章:Art Activism  アート・アクティビズム」から

 

へリングがダイレクトにメッセージを発信したポスターから


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「南アフリカ解放」1985年


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「無知は恐怖、沈黙は死」1989年

 

エイズと戦うキース・へリングのメッセージ

正しく知り、正しく伝える。「見ざる、聞かざる、言わざる」はNo!


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「ナショナル・カミングアウト・デー」1988年


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「ヒロシマ  平和がいいに決まってる!!」1988年

 

 

「第5章:Art is for Everybody  アートはみんなのために」から

 

アートを一部の富裕層や知識人のためだけではなく、子どもから大人まで、より多くの人に身近なものとして届けようとしたへリング。ストリートで活動を始めたキース・へリングの根底にあるものなのでしょう。


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「赤と青の物語」1989年

 

赤と青の抽象的な図形に線を加えて生み出されたキャラクター

何が出るのか?子どもの頃、こういう絵は無意識のうちに描いていたような。大人になってもこの絵は楽しい。

 

キース・へリングの言葉です。

「子どもたちは  僕たちが忘れてしまっている「なにか」を知っている

子どもたちは毎日生きていることに満足している

それは本当はとても大切なことで

そのことを理解して尊重することができたら  大人たちは救われるんだ」

1986年7月6日

 

「第6章:Present to Future  現在から未来へ」から


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「イコンズ」1990年

 

へリングが亡くなる年に描かれた「イコンズ」

へリングの重要なモチーフ「ラディアント・ベイビー(Radiant Baby)」
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キリストの子供時代の暗示とも

 

SPECIAL TOPICはキース・へリングが来日した時の活動が写真や作品で紹介されていました。また会場を出たところにミュージアム・ショップのエリアもあります。

 

「アーティストは  与えられた歴史のひとこまにおける社会の代弁者だ

ぼくたちが生きるこの世の中のことを  どう捉えているのか」

1984年10月30日 キース・へリングの言葉

 

キースが捉えた1980年代ニューヨーク。どのように写りましたか?

 

 

3. さいごに

ちょっと気弱そうにも見えるへリングですが、その作品からはアートをすべての人に届けようという強い意志、アートで世界を変えられるという強い信念が伝わってくるようです。ポップだけど残虐なモチーフが描かれていたり、と複雑性も秘められていますが、力強い太い線とシンプルな形からストレートにメッセージが伝わってくる。亡くなってから30年以上経た今。正にキースの作品に込められたメッセージが響く時代なのではないでしょうか?

 

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やっぱり、いつまでもカッコいいです。

 

【巡回情報】

・兵庫県立美術館ギャラリー棟3階ギャラリー 2024年4月27日-6月23日

・福岡市美術館 2024年7月13日-9月8日

・名古屋会場 2024年9月-11月(予定)

・静岡会場 2024年11月-2025年1月予定

・水戸会場 2025年2月-4月予定

 

ということで関連リンクです。

今回の展覧会でも多くの作品が展示されています。

www.nakamura-haring.com

山梨の自然に囲まれた美術館です。私も一度訪れましたが、とっても楽しい空間でした。ぜひともまた行きたい!

 

2024年の展覧会情報はこちら

www.suki-kore.tokyo

  ということで、今回は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また、次もよろしくお願いいたします。

 

※ ご意見、ご感想、大歓迎です。是非コメントかメール(yorocon46@gmail.com)まで。ツィッターは@yorocon46です。

 

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(六本木ヒルズ52階から)