すきコレ

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【常設展】上野・国立西洋美術館(2020/6/20訪問)

自称アート・リポーターこと、よろコンです。

 

本日は美術館の「常設展」をレポートします。

 

今回レポートするのは、先日行った

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(以下「特別展」)

の後に鑑賞しました、

国立西洋美術館・常設展

www.nmwa.go.jp

松方コレクションを礎に発展した世界に誇る日本の西洋絵画コレクションが展示されている常設展。今回は特別展の構成を少し意識しながらご紹介します。

最後までお読みいただけますと幸いです。

 

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(ル・コルビジェ設計の世界遺産)

 

【目次】

 

※ 以下の記述は美術館の解説、その他WEB上の資料を参照の上、記述しております。また、絵画の写真は常設展で撮影可能な作品を撮影しています。(一部、特別展の図録を撮影し、引用しています)

 

(1) 訪問日・混雑状況

訪問日:2020/6/20(土) 曇り。特別展を見たあとに鑑賞してきました。土曜日のナイト・ミュージアムで19:30頃に入りました。特別展のチケットで常設展も見られます。是非、あわせてご鑑賞ください。

鑑賞時間:約60分

混雑状況:夜間でもあり、人はいましたが混雑はしていませんでした。ゆっくり見られました。

 

(2) 館内図

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西洋美さんの館内図です。(反射が少し見にくいですね^^;)

 

(3) 気になる作品

ロダンの彫刻が並ぶ1Fから2Fに上がるとまず14世紀~16世紀絵画が並びます。右に回ると17世紀絵画、18世紀絵画へと続いていきます。

それでは、最初に書きました通り特別展を意識して、その構成に沿って見て行きましょう。 

ちなみに、ほとんどの作品は撮影OKです。(NGの作品にはカメラNGのマークがついていますので、ご注意ください)

 

それでは、作品の方へ。

I イタリア・ルネッサンス絵画の収集 | Collecting the Italian Renaissance

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(レアンドロ・バッサーノ「最後の審判」1595-96 油彩 / 板)

額縁の天使が印象的な作品。レアンドロ・バッサーノは16世紀のイタリア・ルネッサン、ヴェネツィア派を代表する画家ヤコポ・バッサーノの3番目の息子。肖像画でも名声を極めた画家とのこと。

 

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(グイド・レーニ「ルクレティア」1636-1638 油彩 / カンヴァス)

こちらはイタリア・バロック期に活躍したボローニャ派を代表する画家。カラバッジョのような劇的な作品を残すとともに、ルネッサンス期・ラファエロなどの画家を研究し、古典主義様式の作品も残しています。この絵は、少しティツィアーノに雰囲気が似ているかなぁと思い、こちらにご紹介。

ルクレティアは、ローマが王政から共和制に移行するきっかけとなった女性。ローマ王の息子セクトゥス・タルクィニウスによる陵辱を恥じ、短剣で胸を突いて自殺。この事件が王政に対する反感を盛りあげ、ローマが共和制に移行するきっかけに。美術のテーマ的には、貞節に殉じた女性、悪徳に対する報いの象徴である一方で、キリスト教倫理に反して自殺した女性という、両義的な意味をもって描かれているとのことです。

 

ということで、ちょっと、強引(というか、実際はルネッサンスではない^^;)ですが、このコーナーは以上。

 

さて、続きまして・・・

 

II オランダ絵画の黄金時代 | Dutch Painting of the Golden Age

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(ヤン・スーテン「村の結婚式」油彩 / 板)

ヤン・スーテン(1626-1679)はオランダを代表する風俗画家。特別展でも「農民一家の食事(食前の祈り)」が展示されています。

「結婚式」では村の人々の様子が生き生きと描かれています。

 

常設展には、このほかにも特別展に展示されている超写実の静物画、フェルメール作といわれる「聖プラクセディス」が展示されています。「聖プラクセディス」は残念ながら撮影NGです。

(これは2018年12月、上野の森美術館「フェルメール展」が開催されているときのポスターから)

 

III ヴァン・ダイクとイギリス肖像画 | Van Dyck and British Portraiture

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(ジャン=マルク・ナティエ「マリー=アンリエット・ベルトロ・ド・プレヌフ夫人の肖像」1739年 油彩 / カンヴァス)

こちらはイギリス、ではなくフランスの肖像画の巨匠・ジャン=マルク・ナティエ。同時期の肖像画ですが、イギリスとフランスを比べて見るのも面白いかもしれません。

 

IV グランド・ツアー | The Grand Tour

ここはチョッとスルーして・・・

 

V スペイン絵画の発見 | The Discover of Spain

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(エル・グレコ「十字架のキリスト」油彩 / カンヴァス)

本名ドメニコス・テオトコプロース。ギリシャ領クレタ島の出身。イタリアを経てスペインで活躍したので、グレコはイタリア語で「ギリシャ人」、エルはスペイン語の男性名詞の定冠詞、といった通称で呼ばれるようになったようです。

特別展でも「神殿から商人を追い払うキリスト」が展示されています。

 

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(バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「聖フスタと聖ルフィーナ」1665-66 油彩 / カンヴァス)

スペインの巨匠・ムリーリョ。こちらも特別展での展示が。

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(バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「幼い洗礼者聖ヨハネと子羊」1660-65 油彩 / カンヴァス 165.0×106.0cm 特別展の図録から)

加えて「窓枠に身を乗り出した農民の少年」の2作品が展示されています。

 

VI 風景画とピクチャレスク | Landscape and the Picturesque

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(ヤーコブ・ファン・ロイスダール「樫の森の道」 油彩 / カンヴァス)

 

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(ヤーコブ・ファン・ロイスダール「砂丘と小さな滝のある風景」 油彩 / カンヴァス)

 オランダの風景画の巨匠ヤーコブ・ファン・ロスダール。特別展でも「城の廃墟と教会のある風景」が展示されています。  

 

VII イギリスにおけるフランス近代美術受容 | French Modern Art in British

いよいよ19世紀絵画の部屋に。

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(アリ・シェフェール「戦いの中、聖母に加護を願うギリシャの乙女たち」1826年 油彩 / カンヴァス)

オランダ生まれ、フランスで活躍したロマン主義の画家。特別展ではこちらの作品が展示されています。

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(アリ・シェフェール「ロバート・ホロンド夫人」1851 油彩 × カンヴァス 81.9×60.3cm ロンドン・ナショナル・ギャラリー展の図録から)

シェフェールはドラクロワと同世代の画家。初期は情熱的な画風に接近したものの、のちに「冷たい古典主義」と呼ばれるように。個人的には結構好きです。

 

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(ヴィクトリア・デュプール(ファンタン=ラトゥール)「花」油彩 / カンヴァス)

特別展ではファンタン=ラトゥールの「ばらの籠」が展示されていますが、ファンタン=ラトゥールの妻でやはり静物画家であったヴィクトリア・デュプールとの共通性も指摘されています。確かにこの絵とよく似ています。実際に特別展を見て、比べてみてください。

 

  それでは、印象派の作品を続けて、どうぞ

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(クロード・モネ「睡蓮」1916 油彩 / カンヴァス)

西洋美のモネ部屋は、見ごたえ十分です。

 

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(ピエール=オーギュスト・ルノワール「アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」1872 油彩 / カンヴァス)

フランス政府が日本に渡るのを渋った松方コレクションの一枚。

 

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(ポール・ゴーガン「海辺に立つブルターニュの少女たち」1889 油彩 / カンバス)

タヒチではなくフランスの町の少女

 

そして、ゴッホ。

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(フィンセント・ファン・ゴッホ「ばら」1889 油彩 / カンヴァス)

1888年末、憧れのゴーガンとのアルルでの共同生活に破れ、精神病を発症し、1889年に入院したサン=レミの精神療養院に咲くバラを描いています。さっきのゴーガンの作品も1889年。この二枚の絵。描いた頃の二人の気持ちを想像してしまいます。

 

ということで、展示はこの後もピカソ、ブラック、レジュ、藤田と20世紀絵画が続きますが、今回はこの辺で。ミュージアムショップには常設展のグッズもあります。

 

(4) さいごに

いかがでしたか?強引なところも多々あったかとは思いますが(^^;)、この時の気分ということで。

西洋美の常設展は本当に何回見ても、見飽きることがありません。展示作品も、少しずつ展示替えされていて。新しい発見が何かある、楽しい場所です。

なお、西洋美は2020/10/19(月)~2022年春まで長期の休館に入ります。

休館前に、また、見に行きたいと思います。

 

最後に関連リンクです。

 

現在開催中の特別展=ロンドン・ナショナル・ギャラリー展です。

www.suki-kore.tokyo

西洋美コレクションの礎です。

www.yorocon46.com

 

  今回のレポートは以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

また、次のレポートもよろしくお願いいたします。

 

※ ご意見、ご感想、大歓迎です。是非コメントかメール(yorocon46@gmail.com)まで。ツィッターは@yorocon46です。

 

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(夜の上野・公園改札。スカイツリーの先っぽが)