自称アート・レポーターこと、よろコンです。
大変遅ればせながらですが2021年も何卒よろしくお願いいたします
今年はもう少し間をあけずにブログを書いていきたいです
(新年の抱負です・・・すでにあいてしまいましたが^^;)
ということで、本ブログでは今年も過去に見た展覧会も含め、好きな展覧会をレポートしていきます。
今回は、昨年末にひさびさに訪問しましたこちら
特別展 東山魁夷と四季の日本画 @ 恵比寿(広尾)・山種美術館
のレポートです。
国内初の近代日本画常設展示の美術館である山種美術館。特に「国民的画家」こと東山魁夷の連作「京洛四季」から4作品が4年ぶりに一挙公開されているのが注目されます。
今回も、最後まで、お読みいただけますと幸いです。
【目次】
※ 以下の記述は展覧会内の説明、パンフ、その他WEB上の資料などの説明を参照の上、記述しております。なお、作品の写真は購入した絵はがきを撮影しています。
1. 展覧会概要
(1) どんな展覧会か
特別展 東山魁夷と四季の日本画
東山魁夷。1908年7月8日神奈川県・横浜市生まれ。太平洋戦争の前後で次々と病で家族を失った画家は人生のどん底を味わいます。そして、その悲しみを乗り越え、日本国内、ヨーロッパ、中国と各地を旅し、風景画の第一人者に。「国民的画家」と呼ばれるまでになりました。
そんな画家は、ある時、親交が深い文豪・川端康成からこう言われます。
「京都は今描いといていただかないとなくなります。京都のあるうちに描いておいて下さい」
そう請われ、描いたのが「京洛四季」シリーズ。いずれの絵も京都の美しさを今に伝えます。
このほかにも、山種の誇る日本画コレクションが堪能できる展覧会です。
(2) 開催概要
・期間:2020/11/21(土) - 2021/1/24(日)
・時間:平日10:00 - 16:00、休日10:00 - 17:00 ※ 入館は閉館30分前まで。COVID-19の影響で変則開催です。窓口でもチケットを購入できますが、時間指定制も導入されていて、混雑時は事前予約者が優先です。
・会場:山種美術館(恵比寿・広尾)
※ 私はいつものとおりJR恵比寿駅を出て広尾方面に歩いて坂を上がっていきました。10分程度です。
・チケット:一般1300円、大学・高校生1000円、中学生以下無料。きもの特典できもので来られた方は一般200円、大学・高校生は100円お得になります。
・作品数:約60点
・写真撮影:NGです。
・Webサイト:
(美術館サイト)
(外から見た喫茶コーナー)
(入口の案内)
(3) パンフレット
今回は、すでにすべて配布されていて、入手できませんでした。残念(T_T)
(4) 行くきっかけ
この日は、年末。午後からはベートーヴェンの第九を聞きに行く予定でした。音楽で年末を感じるのであれば、絵でも年末を感じよう!と思い、頭に浮かんだのが東山魁夷の「年暮る」
4作品一挙公開ということもあり、この日を選んで、見に行きました。
2. 展覧会の中へ
(1) 訪問日・混雑状況
訪問日:2020/12/27(日) 晴れ。11:30頃
鑑賞時間:約60分
混雑状況:混んではいませんが、それなりに人はいました。ただ、日時予約制もとっていますので、密というわけではありません。ゆっくり見られます。
では美術館に入ります。
(2) 展覧会の構成
展示作品は
https://www.yamatane-museum.jp/exh/upload/list201118.pdf
からも確認できます。また、展覧会のページではいくつかの作品も紹介されています。
第1章 日本の四季を描いた系譜
東山魁夷の「京洛四季」のほか、魁夷の師である結城素明の作品、竹内栖鳳の四季短冊、魁夷の義理の父・川崎小虎の作品などが目を引きます。
第2章 皇室新宮殿ゆかりの絵画
こちらでは東山魁夷の大作「満ち来る潮」とそのスケッチのほか、山口蓬春や杉山寧など皇室新宮殿に絵を収めた画家の作品が並びます。
第3章 風景画に見る日本の四季
東山魁夷作品のほかに東山魁夷、杉山寧とともに日本画三山と呼ばれた高山辰雄の哲学的な作品や奥田元宋の作品が並びます。
それでは、作品を見て行きましょう。
(3) 気になる作品
今回は図録がありませんでしたので、絵はがきを購入した作品をご紹介します。
まずは、早速、第一章の東山魁夷の「京洛四季」から
東山魁夷「春静」1968年
東山魁夷「緑潤う」1976年
東山魁夷「秋彩」1986年
東山魁夷「年暮る」1968年
いずれも詩情豊かな絵が京都の趣を伝えます。
「年暮る」は京都ホテル(現・京都ホテルオークラ)から見た景色とのこと。
そして第二章からは東山魁夷の大作
東山魁夷「満ち来る潮」1969-70年
「みちくるうしお」と読みます。
山種美術館の創始者で山種証券(現SMBC日興証券)の創業者でもある山﨑種二が皇居宮殿の壁画「朝明の潮」を見て感銘し、みんなが見られるようにと東山魁夷にお願いをして書いてもらったという作品。
壁一面に展開される海は静と動を併せ持つ存在として、厳かにそこにあります。
(絵はがきの写真では伝わりにくいですが、青が鮮やかな作品です)
最後、第三章からは
山口蓬春「錦秋」1963年
こちらは先ほどの海の「青」とは対照的に「赤」が鮮やかな作品。その赤が鳥の白や黒や黄色の羽やそのフォルムを際立たせます。
このほかにも高山辰雄の作品は好きでしたが絵はがきはありませんでした。
いろいろとあった年。その年の瀬に、日本画の名品を堪能して、展覧会場を後にします。
(4) ミュージアムショップ
今回の企画展のみならずコレクションに関連するグッズなどを販売しているミュージアムショップがあります。今回は紹介しました絵はがきを購入です。
3. さいごに
久々の山種美術館。画家と文豪、画家と美術愛好家、さまざまなつながりが多くの名品を生み出すきっかけになっていんだなぁと感じました。人と人とのつながりが新たな創作のヒントを与え、意欲を湧かせ、名作が誕生する。多くの日本画の名品を有する山種美術館であらためて作品誕生の物語を感じることができたと思います。
また、ゆっくりと展覧会に見に来たいものです。
それでは、関連リンクです。
2018年、国立新美術館での東山魁夷展です。
本展でも作品が展示されていた高山辰雄の2018年世田谷美術館の展覧会です。
今回のレポートは以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
また、次のレポートもよろしくお願いいたします。
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(恵比寿・明治通り渋谷橋交差点の歩道橋から。いい天気でした)