よろコンです。
今日は、太田記念美術館(原宿)・山種美術館(広尾)で開催中の二つの美人画展です。
今回も、あとから「あの時、こんな展覧会に行っていたんだなぁ」と自分が思い出すためのメモということで、よろしくお願いします。(このブログでは撮影OKだった作品の写真を掲載しています)
(原宿駅からスタート)
(1) 鰭崎英朋展@太田記念美術館(7/21(月・祝)まで)
鰭崎英朋 | 太田記念美術館 Ota Memorial Museum of Art
(会場内は写真撮影NGだったので、作品はこのポスターのみで)
・7/5(土) 12:30頃～約60分間 鑑賞
・鰭崎英朋は「ひれざき えいほう」と読みます。1880年東京・入船生まれ。1968年没
・17歳の時、月岡芳年の門人で浮世絵師の右田年英に入門。同じく月岡芳年の門人・水野年方に入門した鏑木清方は1878年神田生まれで英朋より少し年上。英朋は清方ら若き浮世絵師・挿絵画家たちと1901年に烏合会を結成し、新たな日本画を目指します。美人画・挿絵画家として人気を二分した鏑木清方はその後、日本画の道に進み、鰭崎英朋は大衆に美を届ける口絵(書籍・雑誌の巻頭に挿入される絵)・挿絵の道を歩み続けます。
・大正時代に入り書籍や雑誌が大量印刷され、木版の浮世絵から石版画・コロタイプ印刷へと主流が移り変わる中、英朋は木版の浮世絵で美しい口絵を作成しました。このことから本当の意味で「最後の浮世絵師」と言えるのではないでしょうか。
・一方で英朋は多くの石版画も手掛けており、こちら方も展示されています。
・展覧会では鏑木清方との合作、泉鏡花「婦系図(おななけいず」の口絵が展示されています。優美な美女を描く清方。妖艶で湿潤な美女を描く英朋。その競演を始め、英朋が描く情感たっぷりで潤んだ瞳の美女たちを堪能できる展覧会です。
それでは、次の美術館へ
(途中、この美術館にも寄りました。この時見た展覧会は終了していますが、また、別の機会に)
(2) 生誕150年記念 上村松園と麗しき女性たち@山種美術館(7/27(日)まで)
【特別展】生誕150年記念 上村松園と麗しき女性たち - 山種美術館
・7/5(土) 15:20頃～約75分間 鑑賞
・1875年京都生まれ。15歳で描いた「四季美人」は第3回内国勧業博覧会で受賞、英国王室買い上げとなります。その後、円山・四条派の流れを汲む幸野楳嶺、竹内栖鳳に師事。数々の美人画の名品を描き、73歳の時、女性初の文化勲章を受章。日本の女性画家の先駆けである松園と松園に続く美人画・女性画家の作品が彩る展覧会です。
・「一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願」と語った上村松園の作品が22点展示されています。
・「西の松園、東の清方」と並び称された清方作品も展示されています。「清くあれ、潔くあれ、うるはしくあれ」という清方の言葉。松園との違い、通ずるものを感じながら鑑賞するのも興味深いかと
・このほか、伊藤深水、片岡球子、現代の画家たちの美人画が並びますが、個人的には小倉遊亀の「舞う(芸者)」で描かれた二人の芸者の舞が呼応するその刹那、上村松園の弟子で北沢英月の歴史や想いの連なりを重なるように描かれた女性たちに託すその構図に惹かれました。
・写真撮影はこちらの一点がOKでした。
「杜鵑を聴く」1948(昭和23)年
傘を閉じ、目をやる先で鳴くのは杜鵑(ほととぎす)。手の仕草からもその声が聞こえて来そう
鰭崎英朋、上村松園と二つの展覧会にはつながる点が多くありました。
美人画。鏑木清方。同時代に活躍した画家の展覧会ということも、併せて見るのもおもしろいかと思います。
ということで今回の展覧会Logは以上です。
ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします。
(てくてくと山種美術館から恵比寿へ帰りの道。とにかく暑かった^^;)
