自称アート・リポーターこと、よろコンです。
さて、今回は、これまで見てきた美術作品から、私が好きな作品についてレポートしていきたいと思います。お付き合いただけますと幸いです。
それでは、本日の作品はこちら。
フランソワ・ポンポン作
「シロクマ」(1922)
パリ・オルセー美術館。一階奥にあるカフェの前でその雄姿を目にすることができます。
今にも動きだしそうな白熊。
悠然としつつも、少しとぼけた感じの愛らしい顔。
滑らかな白い曲面がシロクマを包む柔らかな毛を再現します。
進行方向に伸びた首。地面を力強く蹴った後ろ足は、今まさにシロクマが目の前を悠々と歩いているかのようです。
作者フランソワ・ポンポンは1855年にフランス・ブルゴーニュ地方の町・ソーリューに生まれました。お父さんは家具職人や仕立て屋をしていたようです。
20歳で彫刻家を目指してパリに出ると、いろいろな彫刻家の工房に入ります。あのロダンの工房では、人物像の制作にも携わっていました。
1906年ごろからは動物をモチーフとした作品を作成するようになり、1922年ポンポン67歳の時に自身の代表作となるこのシロクマを作成しました。そして1933年に亡くなるまで数多くの動物彫刻を残しています。
(館林美術館のWebサイト、Wikipedia参照)
この写真は2017年11月7日にオルセー美術館に行ったときに撮影したものです。
テレビ東京の番組「美の巨人たち」で、この白熊を取り上げていた回(2017年1月28日放送のようです)を見て「次にパリに行ったら、ぜひとも本物を見てみたい」という思いにとらわれました。そして、この年の秋にパリに旅行し、見て来た時の写真です。このときのオルセー訪問の最大の目的は、このシロクマでした。
(でも、これ以前にオルセーは訪れたことがあり、そのときも見ていたとは思うのですが、実はあんまり記憶に残っていませんでした)
美術館に入り、作品を鑑賞しながら歩いて、少し疲れたなと思ったころ、この像が姿を現しました。見てのとおり、本当のシロクマと同じくらいの大きな像です。
カフェが目の前でしたので、コーヒーを飲みながら、ゆっくりとこの像を眺めていたのを思い出します。
コーヒーを飲んだ後は、シロクマのまわりをぐるぐると。
シロクマの毛は一本も掘っていないのに、その滑らかな曲線、曲面で毛の柔らかさが伝わる。極限まで無駄を削ぎ落した単純なフォルムで、よりリアルな世界を表現する。この革新的な作品を67歳の時に作り上げたポンポンはすごい作家だと思います。いつまで見てても、飽きない作品です。
ちなみに、ポンポンにスポットライトをあてた美術館に、群馬県立館林美術館があります。
こちらにはポンポンのアトリエを再現した別館や、小さなシロクマの作品が展示されています。
一度、訪れたことがありますが、のどかな自然の中のとてもきれいな美術館です。
あと、この作品を見に行くきっかけを与えてくれた番組のページはこちら。
ポンポンのシロクマ。いつかまた見に行きたいなぁ・・・
ということで、ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。
いかがでしたか?また、次の作品のときもお付き合いください。
以上です。ではでは。