すきコレ

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【展覧会Log】9/14(日) :難波田龍起@東京オペラシティ アートギャラリー(初台)のレポート(2025/9/20UP)

よろコンです。

 

今日は9/14(日)に行ってきた難波田龍起(なんばた たつおき)展です。

今回も、あとから「あの時、こんな展覧会に行っていたんだなぁ」と自分が思い出すためのメモということで、よろしくお願いします。(このブログでは撮影OKだった作品の写真を掲載しています)

 

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(いつもの巨人がお出迎え)

 

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    難波田龍起

    @ 東京オペラシティ アートギャラリー(初台) 開催中~10/2(木)まで

 

難波田龍起|東京オペラシティ アートギャラリー

東京オペラシティ アートギャラリー

 

 

○開館時間=11:00~19:00 ※ 入館は閉館30分前まで
○休館日=月曜日
○入館料=一般当日1,600円、大・高生1,000円、中学生以下無料
○出展数=約100点
○展示替え=なし

○鑑賞日時と時間=9/14(土) 14:30~、90分(コレクション展と併せて)
○混雑=混雑はしていません。ゆっくり見られました。
○写真撮影:すべて撮影可能でした。

 

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(それでは展覧会の会場へ)


○展示構成

   - 1. 初期作品と古代憧れ

   - 2. 戦後の新しい一歩:抽象への接近

   - 3. アンフォルメルとの出会い

   - 4. 形象とポエジー:独自の「抽象」へ

   - 5. 石窟の時間

   - 6. 晩年への「爆発」へ

   - 紙作品と資料

 

○レポート

難波田龍起(1905-1997)北海道旭川生まれ。生まれた翌年、家族は東京へ

19歳のとき、彫刻家で詩人の高村光太郎に自作の詩を持っていき、それをきっかけに薫陶を受け絵画の道へと進みます。

最初は身近な自然から描き始めますが、やがてギリシア彫刻等古代への憧れを描き、戦争・敗戦を経て、それまで敬遠していた抽象の世界へと接近します。抽象の世界でも人間性を豊かに讃え、内的生命の表出を求めた龍起。当初、キュビスム的な幾何学的抽象に接近するも、その一面でもある「非情さ」に人間否定のリスクを感じ、デビュッフェやポロックら「アンフォルメル」の動向に大きな刺激を受けます。1974年、75年と次男、長男と二人の息子を亡くすという大きな悲運に見舞われた頃、アンフォルメルに影響を受けたドリッピングの技法は影を潜め、丹念に時間をかけて線と形、色彩を紡ぐ独自の「抽象」を確立していきます。

「描けなくなるまで描こう」そう語った龍起は80歳代後半にひとつのピークを迎え、「内的生命」の表現に力強い「爆発」を見せるのでした。

 

東京オペラシティアートギャラリーに来たとき、寺田コレクションの収蔵品展で何度か見ていた難波田龍起ですが、これだけの作品をまとめて見るのは初めてでした。大きな作品も多く、独自の抽象に心惹かれました。

 

それでは展覧会の様子です。


「1. 初期作品と古代の憧憬」から
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「自画像」1935年 油彩、キャンパス 46.0×37.0cm

 

「2. 戦後の新しい一歩:抽象への接近」から

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「即興詩:秋の詩」1954年

 

モンドリアンを思わせるような作品もありましたが、この作品の黄色が印象的でした。

 

「3. アンフォルメルとの出会い」から

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「青の陽」1961年 油彩、エナメル、キャンパス 130.5×162.0cm

 

ドリッピング(絵具の垂らし)技法だけではなく、絵具に蝋を併用してボリュームを出すなどの試みがなされた時期の作品

 

「4. 形象とポエジー:独自の「抽象」へ」から

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「昇天」1976年 油彩、キャンバス 130.3×97cm

 

同じ画家であった二人の息子を亡くした後の作品。画面上部中央に男性の頭部を思わせる形、画面中央では若い男女が向き合う形が浮かび上がります。

龍起の言葉(展覧会説明書きより)

「青の風景のなかに/いくつかの顔があらわれる/西方の人々である/消そうとしても消えはしない/存在することを主張しているのだ」

 

「5. 石窟の時間」から

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左:「メルヘンの世界」1988年 水彩、インク、紙 49.0×64.0cm
右:「草原の午后」1988年 水彩、インク、紙 49.0×65.0cm

 

龍起の水彩画。水彩の透明感と油彩にも近似した独自の魅力ある作品群


「6. 晩年の「爆発」へ」から
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「赫」1988年 油彩、キャンバス 97×130.5cm

 

赤土がひび割れたようにも見え、大木の樹皮のようにも見え、力強い生命感を感じさせる作品

 

「紙作品と資料」から

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「飛翔」1978年 エッチング、アクアチント、紙 27.0×17.3cm


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「朝の光」1991年 水彩、インク、紙 49.0×65.0cm

本展最後の作品


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寺田コレクションの館収蔵品展から龍起の次男・史男の作品

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「太陽を紡ぐ少女」1968年 水彩、インク、紙 21.0×28.0cm

 

「内的生命」の表出を求め、作風も変えながら、独自の抽象の世界を求めた龍起作品には生命力と併せ、どこか詩情も感じられます。高村光太郎を最初に訪れたときに手にしたのは自作の詩。これが、画家になったあとも作品に通底しているように思いました。

いすれにしましても、大変、素晴らしい空間でした。

 

それでは、展覧会場を後にします。

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ということで今回の展覧会Logは以上です。

ここまで、お読みいただき、ありがとうございました。

また次回もよろしくお願いします。

 

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(巨人の見上げる先に飛行機)